「あ、沢村麻結はっけ~ん!」 くすくすという笑い声と共に、祥のクラスからそんな声が聞こえた。 その声の持ち主は、佐瀬夢香。 祥と付き合いたてのころ、話しかけてきた人だ。 あたしは隣にいる梨々花と話すふりをして、話し声に耳を傾けた。