「そんなこと言ったって、仕方がないでしょ?好きだったんだから」


梨々花はなんてことないように言う。


「そんなこと言ったって……」


何回もすれちがうんだもん。


付き合う前や別れる前と違って。


しかも、気まずいし。


「あーもう。うじうじしない!引きずるのはやめたんでしょ?」


「え、あ、うん……」


引きずらないって決めてただけに、歯切れの悪い返事になる。


すると、梨々花はいきなり立ち上がった。


「麻結!こうなったら、あたしが誰か紹介してあげる」


「え?いや、あたしは別に……」


あたしは梨々花から目を反らし、そろそろと後ずさる。


梨々花はそんなあたしを追いつめて言った。


「麻結?逃・が・さ・な・い・わ・よ?」


こうして、あたしはある男子と会うことを約束させられた。