「沢村さん、具合はどうかしら?」


「あ、はい。なんとか」


泣きそうになっているのには先生もきっと気付いてるだろう。


でも、先生は優しく微笑んで、


「水分とりましょうか。体起こせる?」


そう言った。


あたしは先生から水を受け取ると、それを飲み干した。


なんだか、少し落ち着いた気がする。


「あら、目が少し腫れてるわ。今冷やすわね」


先生はそう言ってタオルを水で濡らし、あたしの目に当てた。


「何かあったら、いつでも相談してちょうだいね。先生が聞いてあげるから」


その先生の言葉に心が温かくなる。


でも、祥のことを話す気にはなれなかった。


だからあたしは、曖昧に笑い返した。