あ、まただ。


目頭が熱くなり始める。


あたしは唇を噛みしめて涙をぐっとこらえた。


やっぱり祥には、あたしじゃない好きな人がいたんだ……。


その子のこと考えてケガをするほどの。


じゃあ……なんであたしと付き合ったの……?


断れなかったから……?


ずっと好きだったっていうのもウソ……?


そんなマイナスな考えが頭の中に浮かぶ。


「じゃあ、ありがとうございました」


そう言って保健室からいなくなった祥。


保健室の中はしんと静まり返った。


あたしが起きているのを知ってか知らずか、保健室の先生はカーテンを開けた。