ウソつき恋愛<番外編追加>

俺は麻結がいそうな場所を回った。


教室、図書室、玄関……。


いろいろと見て回ったが、麻結の姿が見えない。


どこにいるんだ?


麻結がいないことがこんなに焦ることだとは思っていなかった。


会いたい。


「……麻結」


俺がつぶやいたときだった。


「祥?」


「えっ?」


名前を呼ばれて振り向くと、麻結が立っていた。


その隣には波斗もいる。


「祥、先に帰ったんじゃないの?」


麻結はキョトンとしている。


そんな麻結を見ていると、言いたいことが次々と出てくる。


俺はその言葉達をのみ込んで、麻結の腕をぐい、と引っ張った。


「麻結、来い」


「え、ちょっと!?」


驚く麻結をよそに俺は歩き出す。


にこやかに麻結に手を振る波斗にイラつきながら。