〔祥Side〕

麻結のやつ、どこ行ったんだ?

俺は、放課後の教室を見てまわった。

一緒に帰る約束をしていたから、先に帰ったってことはないはず。

だけど、麻結の姿は見えない。


「しょうがない、ここで待ってるか」

俺は玄関の前にしゃがみこんだ。



しばらくすると、男女の話し声が聞こえてきた。

「できるかな?」

「麻結ちゃんなら、きっと出来るよ」


ん?

麻結?

俺は声のする方を見る。