その日はちょうど、学校で嫌なことがあって泣きそうになりながら帰った日だった。


「お前は泣いてる より笑ってるほう がいい」


確か、そう言ってたっけ。


あのときはまだ、祥とも普通に話せてたのになぁ。


意識しすぎなのかもしれないけど。


「ねぇ、祥。明日も一緒に帰れる?」


「わりぃ。明日は部活があるから……」


祥は歯切れが悪そうに言った。


「そっか……」


部活なら仕方がないよね。


「あ、じゃあ俺の家、こっちだから」


祥はそう言って行ってしまった。



あたし、もしかして嫌われてる?


まともに会話も出来なかったし……。


あたし複雑な気持ちで家まで歩いた。