祥はあたしの耳許に唇を寄せた。

「離したくない……」

――ドキンッ

祥の声が少し掠れていて妙に色っぽい。

あたしの胸がドクドクと脈打つ。

「っ、祥行かないと……」

振り絞るような声で言うと、祥は軽く息をついた。

「しょうがない、行くか」

祥があたしの手に指を絡ませた。

そのまま、梨々花達のところへ駆け寄った。

そして、あたしは青空に向かって微笑んだ。