「麻結……」

「ん?」

名前を呼ばれて、首を傾げる。

「好きって言って」

色気をにじませたような声で祥がつぶやく。

早く、と急かすような顔であたしを見つめる。

「す、き……」

一言そう口にするだけで、身体が熱くなってくる。

「もう一回」

「ぅ……、すき……」

あたしは恥ずかしくなって、言い終わった後に目を反らした。

祥は満足そうに微笑む。

「祥ごめんね。あたし、祥の気持ち考えてなかった。勝手なことばかり言って、ごめんなさい」

あたしは祥に抱きしめられたまま謝る。

そんなあたしの頭を祥はクシャリと撫でた。