ガラガラッ、と少し乱暴に保健室のドアを開ける。

「祥!」

祥の姿を見つけて、あたしは駆け寄った。

今は気まずいなんて、考えてられなかった。

「祥、大丈夫?どこケガしたの?」

あたしが祥に問いかけると、祥が口角を上げた。

「俺、ケガなんてしてねぇよ」

その言葉に耳を疑う。

「え、だって梨々花が」

「それは麻結を呼び出すためのウソ」

しれっと言いのける祥。

聞けば、梨々花に頼んであたしを呼び出してもらったのだとか。

それを聞いて、体から力が抜ける。

思わず、その場に座り込んでしまった。