波斗君はゆっくりと、あたしの腕を離した。

そして、あたしは駆け出した。

祥にフラれても、もう波斗君のところには戻らないつもりだ。

中途半端なのも、ウソをつくのも、もう嫌だから。

あたしは、ただひたすら走った。




「……フラれたな……」

静けさが戻った教室に、悲しみの混じった声が響いた。