† † † † † あたしは学校の廊下にいた。 「麻結ちゃん」 優しい声に呼ばれて振り向くと、後ろにいたのは波斗君だった。 波斗君は優しげな微笑みを浮かべる。 なぜかここには、あたしと波斗君しかいない。 ぬっとりと生ぬるい風が身体にまとわりつく。 「波斗君。どうしたの?」 波斗君の微笑みの中に何か別なものが含まれているように感じる。 それは、焦りのようにも悲しみのようにも見える。 そのとき、ぐいと腕を引っ張られた。