「……どうして?」

朝からざわざわと騒がしい教室。

それなのに、梨々花の声がやけに大きく聞こえた。

あたしは昨日までのことを梨々花に話すと、梨々花は心底驚いたようにつぶやいた。

「確かにアタシは波斗を紹介したよ?でも、祥のこと好きだったんじゃないの?」

「好きだったけど、もう冷めちゃった。だから、もう好きじゃない」

あたしはわざと声を弾ませて言う。

「……麻結、それウソでしょ」

「え?」

「だって麻結、泣きそうな顔してる」

梨々花は眉根を下げた。