教室の中に入ると、 相変わらず原くんは来ていない。 「ねえ、坂枝さん、おはよう」 そこに、少し派手めな格好をした女の子がいきなり話しかけてきた。 「あ、おはよう」 「ちょっ…来てくれるかな?」 そのまま返事もさせないでぐいぐい引っ張ってくる。 そこは、あの図書室前だった。 うわー…またトラウマになってるような場所に… 「ねえ、坂枝さん、わたしね…」 その子は少し下を向いて呟いた。 「協力、してほしいことがあってね…?」 「ん?何?」 「原くんに好きになってもらいたいの」 え?