鏡に写る自分に満足し、朝食の匂いが漂うリビングに向かった。

いつも通りの椅子に腰を下ろすと、すでに母さんが作っていたであろう、弁当が置いてあった。


「なあ、なにこれ。」

「なにって?お弁当よ。」


「今日、午前中で学校終わるんだけど。」


そう言った瞬間、あらまあ!って感じの顔になった母さんは


「あらまあ!どうしよう…もったいない…」

ホントにそう言って困った顔を向けてくる。


朝から元気なおばさん…。


「ま、いいわ。お父さんのお弁当にしちゃうから」

「いいのかよ」


かわいそうな親父。

母さんは母さんで、自分の提案に満足そうに朝飯を並べ始めた。