その懐かしい名前を聞いたのは、年の瀬が迫ったある日のことだった。


「横山のおじさまが帰国されたそうよ」




横山のおじさま。


ママのお姉さんの旦那さんで、天文学者。


私が星に興味を持つきっかけをくれて、星を好きになったことを一番喜んでくれた人。


天体望遠鏡から忘れられない光景を見せてくれた、恩人。


昔はよく遊んでくれていたけど、私が中学に上がるのと同時に海外の天文台へ研究に行ってしまった。




そのおじさまが、帰ってきた!




「でも、そんなこと全然聞いてなかったよ」


「ママも突然で驚いたわ。

本当は随分前から帰国は決まってたみたいなんだけどね。

さっき『今帰ってきましたよー』って電話があったわ。

ほんと、相変わらずマイペースな人ね」


ママはため息をつくけれど、そんなおっとりしたところもおじさまらしくて、私は嬉しくてたまらない。


「ねえ、会いに行けないの?」


「そうね、帰国されたばかりで落ち着かないとは思うんだけど。……

でも、久しぶりに姉さんとも会いたいし、思い切って今度の休みにでも、お邪魔しに行っちゃいましょうか」




おじさまに会える!


外国から見た星は、どんなふうに輝いていたんだろう。


どんな新しい発見があったのだろう。


私は早速、おじさまに聞きたいことをいくつも思い浮かべて、胸躍らさずにはいられなかった。