この空の下で風は唄う

ひとまず……ってことはこれ以上の追求があるってことか。

それは困るけど、とりあえず今はこれで場を収めておこう。

「だけど、覚えていて……」

洋平の言葉は続いていた。

「誰かを頼るとしたら、まず俺を頼って欲しい。君が心配なんだ、本当に」

切実で誠実な言葉に、あたしは微笑んで頷いた。
こんなにつらそうな洋平に残酷な言葉はかけられない。

(あたしの秘密は、洋平に支えきれるような物じゃないと思うけど)

今は優しい幼なじみをただ安心させたくて、あたしは笑って言った。

「洋平は大人だから、他の二人よりずっと頼りにしてるよ、ありがとう」

それでやっと、洋平はいつものように優しく微笑んだ。




そう、あたしのために何かしたいなら、洋平にはそうやって微笑んでいて貰わなくては困る。
この刹那的日常こそが、あたしが持てる最高の幸せ。
バランスさえ崩れなければ、あたしは普通のあたしでいられる。

下手にあたしの心に触れれば、傷つくのはきっと、洋平のほうだから。