「はー、遅かったか。」 そんな声が この暗くなった体育館のどこからか 聞こえた。 私の他に乗り遅れた人いたんだ。 誰だろう? 「....あ! 森澤さん」 ....あ。 立っていたのは篠川君だった。 期待した私がバカでした。 「篠川君、むかえまだなの?」 「来ないよ。」 「え? でもお母さんいるんじゃ....」 「あいつが来るわけねえよ。」 篠川君の表情が私には どこか寂しげな感じ にも見えた。