「いや、冗談だよ、冗談。ほら、持つからラケットと荷物貸して」





「そんな、悪いですよ!」




断る相川だったが、そんなの認めない。


ここで、じゃあ気をつけろよ、何て言えっかよ。






「いいから」



そう言って、相川が持とうとしていた荷物を奪い部室まで運んだ。





「ありがと、せんせ・・・」





相川が俺の背中にそっとつぶやく。






その小さな声に俺は振り返った。





ドクン・・・ドクン・・・・








相川の笑顔に、俺の心臓が激しくなった。







なんだ・・・・・これ・・・・・。