あれから一年が経った。




今年もきれいな桜が咲き始めている。





「おはよ~」



俺は、校門で生徒たちが登校するのを待っていた。





「今日はまさしく絶好の卒業式日和だね~」



村上先生が、青く澄んだ空を見上げながらそう言った。






「そう・・・・ですね!」




俺も空を見上げた。





そう、今日は卒業式。



俺の愛する生徒でもあり、彼女でもある、相川妃菜が卒業する日。



ついに来たんだな・・・・この日が。





その時、ふわっと優しい風が吹き、桜が舞い散った。





「うわ~、風情ですな~」



「ほんと、卒業式に桜が咲いてくれてよかったですよ。まるで生徒たちを祝福してくれてるみたいですもんね」





そう言って俺も桜へと視線を移した。