「今の電話の人、先生にとってどんな人なんですか?」
福田さんは、俺にそう聞いた。
これは、神様からの最後の質問だと思った。
もう、迷わない。
これではっきりと分かったんだ。
俺、どうしようもないくらい、妃菜に惚れてる。
「・・・俺の1番大切な人です。
福田さん、ごめん。俺、君の気持ち、受け取れない。でも、本当にありがとう。君のおかげで自分の気持ちに気づけたよ」
そう言うと、福田さんはニッコリと微笑んだ。
「そうですか。そこまで言われたら、私の入る隙間なさそうですね・・・。悔しいなぁ。まさか、大好きな人の背中押しちゃうなんて。行って下さい。私は後でやけ酒飲みますから!」
「やけ酒って・・・(笑)今度、酒奢るよ」
「そんなこと言う人がどこにいます?今、私フラれたんですよ?嫌いになりたいんで、さっさと行って下さい!!!」
福田さんは、俺の背中をポンっと押した。
「仕方ないから、今日も俺が奢ってあげる。まったく、また俺1人~???世話の焼ける後輩を持つと疲れるよ」
すると、出入り口の方からも声が聞こえた。