「えっと・・」



なんて言い訳していいか分からない。





「聞くつもりはなかったの。私も先生に会いたくて、探してたら・・・ちょうど二人が私の話をしてるとこだった。先生は、斉藤君に私を渡してもいいって・・そう思ってるんだよね。私だけだった・・好き過ぎて幸せ過ぎたのは。」





俺の目を見ない妃菜。





「あのさ・・・違うんだ。俺の話聞いて・・」






「なに聞くの?誤解だって?そんなんじゃないって?もう、いいよ・・・」





「妃菜・・・・」


何も、言えなかった。




誤解だって



そんなんじゃないって




言うつもりだった。




「ごめ・・・先生、私、帰るね」



そう言って妃菜は車を降りた。



「ちょ、妃菜!降りんな!一人じゃ危ないだろ!?」