『リナリア』~生徒に恋した体育教師~







「違うんだって。あれは・・・ホントに誤解だから!俺、彼女いないし。本当だよ・・相川」





誤解されたままでいたくない・・・そういう気持ちでいっぱいだった。






「じゃあ、あの指輪は??あれは先生がアクセサリーとしてつけるような指輪じゃないよね?確実に彼女とのペアだよ。彼女いるってわかってたら・・・私・・・」







少し、目に涙をためながら、相川は言葉を詰まらせた。





「分かった・・。正直に話すから。ちゃんと聞いてな。それで誤解だってわかって・・」




俺は、俺の過去のこと、正直に話した。





前の彼女のこと、誰かにこんなに詳しく話したのは多分、初めてかもしれない・・・。





「そう・・・だったの?本当に?」





「ホントのホント。もうとっくに切れてるし、連絡だってあれから一度も取ってないよ。お前が指輪を拾ってくれるまで、存在すら忘れてたんだから」




伝わった・・・かな?



相川の表情はさっきと違って、俺を疑いの目で見てはいないようだった。