あふれるほどの愛を君に

*・*


 平日の正午過ぎの定食屋は、混雑している。

会社の近くにあって割と良心的な値段の《みおり》は、僕の行きつけだ。

そういや、ここ暫くはサクラさんと来てないなぁ……なんて事を思っていた、そんな時。

「こんちはーっ」と威勢良く店に入ってきて、向かいの席にドスっと腰を降ろした一人の男性。


「おつかれー、阿久津は何にした?」


いつも鼻息の荒い………いや、いつも元気の良い会社の先輩、鈴木さんだ。


「おつかれさまです。えっと今日は、旬の魚の竜田定食です 」

「竜田かあ、揚げ物だろー。うーん……俺は、焼き魚定食にでもしとくかあー、すいませーん!」


お店のおばちゃんに注文を伝える鈴木さんを眺めながら、僕は首を傾げた。

さっき ”竜田” って言った時、鈴木さんがお腹をさすりながら苦々しい顔をしたのを不思議に思ったからだ。