僕の予想通り、サクラさんはその中にいた。
他の人達と談笑する彼女を見つけて、不思議と肩の力が抜け頬が緩んだ。
もともと綺麗な彼女だけど。
笑顔だと少し子供っぽくも見えて、そのギャップに癒される。やっぱり可愛いな、って眺める。
こんなとこ見つかったら睨まれるかな？ プッと頬を膨らませたりして。
でもそんな態度は照れ隠しだってことも知ってるし、そういう彼女も余計に可愛いくて好きなんだ。
「もしかして偵察？」
不意にかけられた声に驚いた。
振り向くより先にその人は僕の隣に並び、そして僕を見下ろした。
「えっと、君の名前は ─」
「…阿久津です」
そうだった、と黒木さんは穏やかに笑った。
