あふれるほどの愛を君に


“一瞬” のそのまたほんの僅かな間、時が止まった気がした。

でも、その静寂はすぐに崩される……星野の声で。


「いまでも好き、もう一回告白させてよ。好きなの、付き合ってほしいよ。阿久津君の一番側にいさせてほしいよ」


勢いよく訴えかけられる。


「………」


意識する。
強く反応する、その塊の存在を。

左胸の奥が熱く重く、その鼓動に飲まれそうになる………いや、そんな錯覚を覚える。

耳の奥で甲高い音が反響して、その直後に血潮が波を打ち後を追う。


僕はいま、どんな顔をしてるだろう………。
きっと、ひどくイケてないことは間違いない。

驚いて、固まって、もしかするとほんの少しひきつっているかもしれない。