その二日後、宣言通り筒井教授から鈴木さん宛に連絡が入り、僕らチームは新プランのもと、再スタートを切った。
これまで進めてきた海洋深層水のプランは全て捨て、一からのやり直し。しかも残された時間は通常の半分。
正直、かなりキツい。
でも、やるしかなかった。
筒井教授に紹介してもらった大学の研究室や、過去のクライアントの関係機関、ネットで検索した研究所。
全国各地のあらゆる機関に電話をかけ、実際に出向き、同時進行でコンセプトやイメージを練り固めていく。
一日中、頭も体もフル稼働させた。
移動時間や、食事をとる僅かな時間さえ惜しいくらいで。皆、夢中で動きまわった。
休日返上は当然で、日に日に肉体的疲労は増していったが、気に止めている暇もなかった。
必ず成功させる。絶対に巻き返すんだ。
疲れなどに構ってられないほど、やる気と気力には満ちていた。
それは、悔しくもボツになった海洋深層水の企画を手掛けている時より強く──もう一方のチームへの対抗心、もっと言うなら、敵対意識のせいだろう。
負けたくない。いや、勝ちたい。
その思いを胸に必死で飛びまわった。



