「このお茶はアフリカ産でな」
「……アフリカ産?」
「そうだよ。アフリカのサバクトビバッタを煎じたお茶だ」
え。バッタ?
「それから茶菓子は、これが中国産コオロギのチップス、そっちのは見ての通りタガメのカリン糖だ」
見ての通りって、初めて見るんですが……。
「ちなみにベトナム産だ」
そんなのどこでもいいです。
「さ、遠慮はいらんと言っとるだろ」
だから遠慮なんてしてません。
「おひとつ、いや何個でも」
いや、待ってくださいっ
「なんなら、幼虫のミックスゼリーも持ってくるが」
そんなの、無理無理無理!
「さあ、口を開けなさい」
うわーっ!
ごめんなさい、許してくださーい!
そうなんだ。
まさかの、昆虫茶と昆虫菓子のもてなしを受けていた。



