龍二side 家に帰ると、苺は英玲奈の家に行くと言って出かけてしまった。 送っていくと言ったが、苺は「大丈夫大丈夫♪」と能天気な応答をして、一人で出て行ってしまったのだった。 「はぁ」 これで苺が亜由美に苛められたりしたら、無理にでも付いて行かなかった龍二の責任だ。 ――俺が守ってやる。 そう言ったのにな。 龍二がため息をついていると、 「珍しいな、オマエがため息か」 店に出ていなくていいのだろうか、父が立っていた。