「今日は奈々子姉ちゃんがいるんだね」


 博斗が言う。



「今日は大学お休みなんだって」



 真魚はそう言って「ねー?」と龍二を見上げる。



「そうみたいだね」



 返事をし、龍二が苺の隣に並んだ。



「苺ちゃん、今日は随分と早起きだね。眠れなかった?」




 耳元で、龍二に囁かれて苺は顔が赤くなるのを感じた。


 確かに今日はいつもより少し早く起きたが、別に眠れなかったわけではない。




「そ、そんなんじゃ…!」


「僕と両想いだから、眠れなかったんでしょ?隠さなくたっていいじゃないか」




 クスクス笑いながら言われ、苺は顔が熱くなるのを感じた。




「龍二くん、からかわないでよ!」