……そう。 あれは、5歳のとき。 両親の仕事の都合で、中途半端な時期に引っ越しが決まった俺。 ひとりっ子で、 ワガママで、 人見知りが激しくて。 最悪な子供だった俺は、 幼稚園が変わることがすごく嫌だった。 やっとできた友達と別れて、新しい街に行くなんて…… 子供ながらに、その苦労を感じ取っていて。 最後の最後まで、反抗し続けた…らしい。 でも、当然、子供の意見が通るわけもなく…… 「ダイスケくーん?どうしたのかなぁ?」 転入初日。 俺は、かなりの仏頂面で、そこに立っていた。