「えぇ?! 本当ですか?! 私より十七才も年上?! 全然見えません!」
「私もそう思うよ」
そう言って少し天井を見上げた和成を見つめて、月海はやはり信じられずにいた。
和成の見た目はどう見ても十七、八の少年にしか見えない。
けれど塔矢隊の先輩たちの様子から見て、年上だろうとは思っていたが、三十には届いていないと踏んでいた。
どこかに年齢を感じさせるところはないかと観察してみるが、肌も髪もうらやましいくらいに色艶がよく若々しい。
それに昨日の太刀さばきも身のこなしも、実戦から遠ざかって久しいとは思えないほど見事だった。
あまりに不躾にじろじろと見ていたらしく、和成が照れくさそうに顔を背けた。
「若い女の子に、そんなに見つめられたら照れるね」



