ラブソングを君に

私の、コンクールの楽曲だった。


「え、なんで?」

「だって、お前の声が聞こえてきたから」

「うそ!だって教室は隣の棟じゃん!」

音楽室があるのは東棟。生徒の教室があるのは南棟だ。

まさか、そこまで声が響くわけがない。


「ばか、違ぇよ!俺、いつも南棟の屋上でメシ食ってんの!」

「そ、そうなの…」

安心した瞬間、同時に恥ずかしさがこみ上げてきた。