「へー…結構綺麗にしてるんだ」

「いつもはもう少し散らかってますがね…」

私は七海さんを自分の部屋に通した。

異性と2人きりというのはいささか問題があると思うが、リビングにいくと姉がからかってくるし客間なんて洒落たものは私の家にない。

なので、強制的に私の部屋に通すことになったのだ。本当に今日が夏休みでよかったと心から思った。

「…あ、この本俺も持ってる。恋愛もんだけどなかなか面白いんだよな」

七海さんが私の本棚を指差す。私はその姿を眺めながら、口を開く。

「…何で家しってるんですか」

「交番で教えてくれた。お前、意外と有名人なんだな」

有名人って…私の両親は町で唯一ある市立病院に勤めている。そりゃ確かに知り合いは多いけど…と思った。

「…何でskyflower閉めたんだ?」

聞かれると思った。急に閉鎖した理由は、誰もいっていないから。

「…別に、関係ないじゃないですか」