『ばっかじゃないの!?雪那ちゃん泣かせたなんて最低!!!!!!!!!!!!!』
電子ゲーム機に繋いだイヤホンから、奏の怒鳴り声が響いた。俺はその声に顔をしかめながら走り続けていた。
Skypeで奏と通話しながら、俺は蓮歌が行きそうな場所を聞き出していた。一応持っているスマホ(スマホで電話した方が楽だが奏は携帯を持ってないらしい)でマップに既に行った場所には丸をつけていく。
これで3個目になるが、蓮歌の姿はいっこうに見当たらない。俺は唇を噛みながら、奏に訊ねた。
「他に心当たりのあるところはないか?」
『…もしかしたら、あの神社かも…』
奏の小さい声が、耳に届いた。
「教えろ!!どこだ!!」
俺は自分でも驚くほどの剣幕で奏に問いただした。
『ーーーだと思う』
奏の少し焦りの滲んだ声をしっかり頭に刻み付け、俺は全力疾走した。

