冷たいアナタの愛し方

レイドはハルヴァニアの国王だが…自由人だった。

本来ガレリアとは敵国同士で国境を境目に睨み合う日々を続けていたが…

今は平然とした態度でガレリア城内を闊歩してオリビアの姿を探し求めていた。


「どこに居るのか…。早く連れ帰らないと…」


ジェラールとルーサーのオリビアに対する態度…

あれはどう見てもただの知人という関係ではなく、恋愛感情があるように見えた。

そしてまたオリビアにも…


「あの子は昔からわかりやすい性格をしている。へスター陛下から結婚の約束は頂いているのだし、この際国に連れて行ってしまおうか」


数年前は小娘だったが…今は美しくなった。

養女とは言えへスターやアンナに面立ちが似ていて、本当の親子とも言えるほどに仲が良く似てもいる。

兄たちとももちろん似ているし、唯一言えるのは養女なのにやけに過保護すぎるところだが――


「一人娘だから仕方ないのか。……ん、あれは…」


スロープを降りて一階に着いた時、視界の隅を巨大な白銀の狼のような獣が通ったように見えた。

足早に後を追ってみるとやはりオリビアの細い後ろ姿があり、向かっているのは馬屋のようだったがひとりではなくルーサーと一緒だったので、脚を止めた。


「問題のふたりか…」


何度もちらちらとルーサーを見上げるオリビアの横顔は、恋に輝いている。

また時々オリビアに微笑みを返すルーサーも、オリビアに心を傾けているのは明白に見えた。


――レイドは自由人だが、一度こうと決めたらてこでも動かない。

オリビアを妻にすると決めてからずっと、大切に見守ってきて自分なりに愛しさを込めて接してきたのだ。


そこに横やりを入れる存在は、あってはならない。


「リヴィ」


ここでそう呼ばれているオリビアに声をかけると、まず反応したのはシルバーだ。

早速駆け寄ってきてぐるぐる周囲を回って警戒するシルバーに触れようと手を伸ばすと歯をむき出したので諦めてオリビアに笑顔を向けた。


「捜したよ」


「おはようレイド。朝食はもう食べた?私が作るから良かったら一緒に食べない?」


「ええ?料理できたっけ?」


「ちょっとはできるようになったのよ。いろいろ焦げると思うけどご愛嬌ってことで許してね」


成長しているオリビア。

レイドにとっては、自分の手でと考えていたので良い気分はしなかったが頷いて歩み寄った。