冷たいアナタの愛し方

「どこへ行ってたの?護衛としてついて行ったのに」


「護衛って…あなたは王様でしょ?あなたが私について来たらあなたを守ってる護衛もついて来るわ。目立って仕方ないじゃない。第一過保護すぎるのよ昔から」


「君は女の子だし世間知らずだ。過保護すぎる位過保護でちょうどいいんだよ。無鉄砲な所があるし…」


…知らない昔話をされてまた苛立ったジェラールは、身体を擦りつけまくってくる謎の青年の頭を叩いて落ち着かせると首根っこを掴んで凄んだ。


「だからお前は誰なんだ」


「僕…シルバー」


「…はあ?お前何を言って…」


月のような金色の瞳。

瞳を覗き込んでいるうちに何故だかこの青年が嘘を言っていないのだとわかると、ジェラールはもう1度頭を叩いて立ち上がりながら小さな息をついた。


「…リヴィ、本当なのか」


「ええ、その子はシルバーよ。いきなりそんな姿になって私も動揺してるのに……あ、もうっ、やめてったらシルバー!」


機敏な動作で立ち上がったシルバーがオリビアに駆け寄って問答無用で強く抱きしめる。

…シルバーでなければその場にいた男が全員剣を抜いていたであろうことを知らないオリビアは、シルバーを落ち着かせるように背中を撫でてやると顔を舐めてこようとする攻撃をからくも避けながら叱った。


「シルバー、めっ!」


「ごめんなさい」


すぐさま謝ったシルバーがしゅんとなってそろりとレイドを横目で見た。

あからさまな敵意にすぐ気付いたレイドは、シルバーが獣の姿の時によくやっていたように耳を強くつねってみた。


「きゃんっ!」


「ちょっとレイド!シルバーをいじめないで!」


「うん、この反応はシルバーだ。お前は不思議な犬だと思っていたけど、まさかこんなことになるとはね」


「とりあえず話をまとめようか」


ルーサーが苦笑しながら言うと、レイドはさも当然だと言わんばかりにソファに腰を落ち着ける。


「では私も加わらせて頂こう。ちょうど暇を持て余していたのでね」


…あくまでも自分勝手。

難題ばかりが首をもたげて、ジェラールとルーサーが同時にため息をついた。