冷たいアナタの愛し方

「…特に話すこともなければ呼んだ覚えもないが」


「ここに居ればオ…リヴィと会えるはず。私のフィアンセが男に囲まれているのですよ、平常心でいられるわけがないでしょう」


「……」


軽はずみな発言をすれば外交問題に発展する。

リヴィがレイドのフィアンセだと知って動揺を隠しきれなかったジェラールだったが、背もたれに身体を預けると腕を組んでソファに座っているレイドを観察した。

落ち着き払っているこの男は、怒涛の勢いで領土を広げてきた。

東のほぼ全土を掌握し、国境を挟んで北にあるガレリアにも攻め込んで来そうな勢いで、終始監視の必要な国の王だ。

のんびり寛いでいるように見えるが、それもあくまでそう見えるだけ。


「……王族に嫁ぐほどの令嬢だと言うのか?あれが?」


「そうは見えませんか?彼女は利発で可愛い。彼女をほしいと思っていた男は多いはずです。私が彼女の父上を口説き落として許しを得たのです。まさかここに居るとは思っていませんでしたが」


「…口が悪い」


「それも愛嬌というものでしょう。彼女の魅力でもある」


…ぐうの音も出ない。

この男は苦手だと内心思いながらいらいらしていると、ドアの音がノックした後ルーサーが戻って来た。


「ちょっと困ったことになったんだけど」


そう言いながら入ってきたルーサーに続いて、リヴィことオリビアと背の高いミステリアスな雰囲気の青年が入ってきた。

ただし…オリビアにべったりへばりついて離れないのでジェラールが訝しんでいると、青年…シルバーはジェラールに駆け寄ってくんくん匂いを嗅ぎまくる。


「ジェラール……遊んで!」


「なに?お前は一体何者……うわっ」


ジェラールに飛びかかって身体を擦り付けまくっているシルバーは無邪気そのもので、呆気に取られているレイドと床でもみくちゃにされているジェラールにどう説明をしようかとルーサーはまた頭を悩ませていた。