…にやにやしている。
部屋のドアを開けると、にやにやしながらソファに身体を放り出して横になっているジェラールを見つけた。
何故にやにやしているのかすでに理由はわかっていたが、ルーサーは敢えてそれに触れずに、腕を組んで壁に寄りかかる。
「リヴィがここに住むことを了承したよ」
「当然だろう。そういう風に仕向けたからな」
「で?君はリヴィを気に入ってるということでいいのかな?」
ちらりと視線だけ向けてきたジェラールの瞳は、如実にイエスだと語っていた。
また意地悪心が首をもたげたルーサーは、行儀悪く低いテーブルに座ってジェラールにぐっと顔を近付ける。
「…オリビアの件は?君がリヴィを追い回している間にもオリビアはどこに居て何をしているかもわかっていないんだ。僕が引き継ごうか?」
「…その件も俺がやる」
「これはまさかの二股宣言なのかな?どっちかにしてもらうよ。君がリヴィを好きなら僕はオリビアを探す。君がリヴィよりもオリビアが心配なら、僕がリヴィを預かろうかな」
何やら話の雲行きが怪しくなり、そこまで深く考えていなかったジェラールは、いつも笑みを絶やさない兄が一瞬真顔になった瞬間を見逃さなかった。
自分たちは似た者同士で…大抵は同じものを好きになったり同じ考えを持っていたりする。
オリビアやリヴィについてもそうなら…兄弟同士で女を争うという泥沼な展開に――
「お前は…どっちが好きなんだ?」
「僕は余った方でいいよ。オリビアもリヴィも同じ位好きだと思うしね。でも今のオリビアがどんな風になってるのかわからないから、そういう意味ではオリビアの方が未知数かな」
「……あの女奴隷はオリビアと知り合いだと言ってた。…俺がちゃんと聞き出すから俺の答えは少し待ってくれ」
「それでいいよ。ま、頑張ってね」
手を振って1階に降りて行ったルーサーの深意がやはり見えない。
いつも何を考えているかわからないルーサーに振り回されていることに気付いていないジェラールは、考えてもいない問題に直面して答えの出ない悩みを抱えてしまった。
部屋のドアを開けると、にやにやしながらソファに身体を放り出して横になっているジェラールを見つけた。
何故にやにやしているのかすでに理由はわかっていたが、ルーサーは敢えてそれに触れずに、腕を組んで壁に寄りかかる。
「リヴィがここに住むことを了承したよ」
「当然だろう。そういう風に仕向けたからな」
「で?君はリヴィを気に入ってるということでいいのかな?」
ちらりと視線だけ向けてきたジェラールの瞳は、如実にイエスだと語っていた。
また意地悪心が首をもたげたルーサーは、行儀悪く低いテーブルに座ってジェラールにぐっと顔を近付ける。
「…オリビアの件は?君がリヴィを追い回している間にもオリビアはどこに居て何をしているかもわかっていないんだ。僕が引き継ごうか?」
「…その件も俺がやる」
「これはまさかの二股宣言なのかな?どっちかにしてもらうよ。君がリヴィを好きなら僕はオリビアを探す。君がリヴィよりもオリビアが心配なら、僕がリヴィを預かろうかな」
何やら話の雲行きが怪しくなり、そこまで深く考えていなかったジェラールは、いつも笑みを絶やさない兄が一瞬真顔になった瞬間を見逃さなかった。
自分たちは似た者同士で…大抵は同じものを好きになったり同じ考えを持っていたりする。
オリビアやリヴィについてもそうなら…兄弟同士で女を争うという泥沼な展開に――
「お前は…どっちが好きなんだ?」
「僕は余った方でいいよ。オリビアもリヴィも同じ位好きだと思うしね。でも今のオリビアがどんな風になってるのかわからないから、そういう意味ではオリビアの方が未知数かな」
「……あの女奴隷はオリビアと知り合いだと言ってた。…俺がちゃんと聞き出すから俺の答えは少し待ってくれ」
「それでいいよ。ま、頑張ってね」
手を振って1階に降りて行ったルーサーの深意がやはり見えない。
いつも何を考えているかわからないルーサーに振り回されていることに気付いていないジェラールは、考えてもいない問題に直面して答えの出ない悩みを抱えてしまった。

