冷たいアナタの愛し方

1階から良い匂いが漂ってきたのでそれを訝しんだジェラールは、ベッドから降りると階段を半分くらいまで降りてキッチンを覗き込んだ。


コンロの前には真剣な顔で鍋を覗き込んでいるオリビアと、その回りをうろうろしているシルバー。

それがコーンスープであることを確認したジェラールは、すぐさま階段を駆け下りてオリビアをぎょっとさせた。


「今作ってる最中なんだからあっちに行ってて!」


「本当にお前が作っていたのか。それは俺の好物なんだ。変な味に作ると…」


「わかってるわよ、だから邪魔しないで。シルバー、お願いね」


「うわん!がうがうがう」


後ろ足だけで立ち上がると2m以上になるシルバーから仁王立ちをされてキッチンから追い出されたジェラールは、内心うきうきしつつテーブルについて完成を待つ。

その間シルバーがテーブルに顎を乗せてじっと上目遣いに見つめてくるので、完成までの間暇なジェラールはルーサーが持ち込んでいた音の鳴るボールをシルバーの顔の前で振ってみせて興味を引いた。


「遊んでほしいか?ほしいだろ?」


「わん!わんわんっ」


「ほら、取って来い」


ボールを遠くに投げるとすぐさま取りに行って前脚でちょいちょい触って転がして遊んでいるうちに、ジェラールはメモ用紙を見ながら何事かぶつぶつ言っているオリビアを観察した。

後ろ姿のオリビアの脚はすらりとしていて細く長く、また後方にのめりながら見えそうで見えないスカートの中を見ようとしていると、ボールを口に咥えたシルバーが戻って来てしまった。


「うわぅっ」


「また投げろって言ったのか?俺が食った後ならまた遊んでやる」


「できたわ。あとチーズを乗せたパンとゆで卵とハムよ。絶対美味しいはずなんだから。熱いうちに早く食べて」


テーブルに運ばれてきた朝食は意外と美味しそうで、スプーンでスープを掬って口に運んだジェラールを穴が空くほど見つめていたオリビアは、彼の顔に笑みが広がったのを見てガッツポーズをした。