冷たいアナタの愛し方

突き刺さるような視線――

誰かに見られているような気がしたが、低血圧のオリビアはぼんやりしたままゆっくり身体を起こして、いつの間にか隣に寝ていたシルバーのふかふかのお腹を撫でた。


「おはよ、シルバー…」


「…まずは主の俺に挨拶をすべきだ」


「…え…?ジェラール!?ちょ…やだ、なんでここに!」


ジェラールはベッドから1mとない距離のひとり掛けのソファに座り、いつから観察していたのか寛いだ風で肘掛けに頬杖を突いてにやにやしていた。

対してオリビアはメイド服姿ではないものの、キャミソールと下着だけというほぼ裸のような格好――

はっとなってシーツで身体を隠したものの、シーツからはみ出た脚や肩はジェラールの視線に晒されてしまっている。


「エッチ!見ないで!」


「俺がいつそのベッドで寝ていいと言った?奴隷なら奴隷らしく床で寝ろ」


「だってルーサーがここで寝ていいって言ったから…。それより早く居なくなってよ。着替えられないでしょ!」


鼻を鳴らしたジェラールは、シルバーの耳が完全に倒れて警戒心むき出しになっているのを見て懐柔作戦に出た。


「おいシルバー、ミルクをやるぞ。こっちに来い」


「……くふんっ」


シルバーはオリビアの手からしか食べ物や飲み物を摂らない。

後は自ら狩りを行うこともあるが、かつて沢山遊んでくれたジェラールだが――シルバーからライバル認定をされてしまい、ぷいっと顔を背けてオリビアの頬をぺろぺろ舐めまくっていた。


「ふふっ、くすぐったいってば。ねえちょっと、着替えたいから2階に戻ってよ。朝食は着替えたら作るから」


「不味かったら食わない。それかルーサーを呼べ」


「うるさいわね、美味しいって言わせてみせるわよ。シルバー、ジェラールを2階に連れてって」


「わん。わんわんわんわん!」


吠えたてられて追い立てられたジェラールが仕方なく2階に戻って行く。


「よし…頑張るぞっ」


気合いを入れつつメイド服を手に、ため息。