あたし、表情(かお)に出ちゃってたんだ…。
「ホントに何でもないから」
「それなら良いんだけど…」
そう言って桃花は、前を歩いている桜木と清水の方を向いた。
「あの二人、仲良いと思わない?」
「全然思わない」
桃花の感覚、何かおかしいんじゃない?
あたしは素直にそう思った。
「何でそう思うの?」
「清水が一方的に、話してるだけだから」
あたしがそう言うと、桃花はクスリと笑った。
「何よ?」
「桜木くんの顔、よく見てみなよ」
あたしは桃花に言われた通り、桜木の顔を見た。
丁度桜木が、横を向いていたから顔を見ることができた。

