「名前なんて言うの?」 「立花桃花」 「桃花ちゃんかぁ。可愛い名前だね」 名前可愛いなんて言われたの、初めてだよぉ。 「あ、あなたは?」 「僕は清水皐。桃花ちゃんと同じ学年だからね」 そぉなんだぁ…。 「でもさぁ。この学園のこと、何でも知ってるみたいな言い方だったよね?お兄ちゃんとかいるの?」 「いないよ。知り合いにここの生徒がいるから」 なるほど。 「それよりも、早く行こう!入学式始まっちゃうよ」 そう言って、皐くんは走っていってしまった。 案内してくれるんじゃ、なかったっけ?