「桃花…!」 夏希は桃花を追いかけ、生徒会室には俺と一夜だけが残った。 「廉…」 一夜が言いたいのは、多分桃花のことだと思う。 「アイツ、あんな顔もするんだな」 俺が『失せろ』って言ったとき、桃花が唇を噛み締めていた。 いつも笑ってる桃花からは、想像もできない。 「アイツのせいじゃねぇのにな」 俺は誰かに当たらなければ、壊れてしまいそうだった。 だから俺は、桃花に八つ当たりをしてしまった。 姉ちゃんが拐われたのは、俺が油断してたから。 なのに…、 アイツに言ってしまった。