「本当、我慢してもいい事なんてねえから。辛くなったら呼べ。
そんな性格だ。頼れるやつもいねえだろ? 俺が相手してやるよ」
再び入る事を諦めた由陽は、ドア越しにどうしても伝えたかった事を伝え、
そのままその場を立ち去る。遠ざかる足音を聞きながら、真幸は余計な御世話だと鼻で小さく笑った。
翌朝、気分も幾分か回復し、元通りに戻った真幸が学校へ行こうと外へ出ると、
今最も会いたくない人物がそこにいた。真幸はあえてその人物に気付かなかったふりをし、
その場をつききろうとしたが、すれ違ってすぐに引き止められてしまう。
「無視はないだろ」
「ちっ…………気付かなかっただけだ。大体何でお前がこんな場所に」
「その舌打ちはなんだよ。堂々と目の前にいて気付かない訳ないだろうが。
つか、家隣なんだけど? 忘れたのか? じゃなきゃ、昨日来ないって」
その人物、由陽は呆れたように不満を言う。
自分の母親がごみ出しに行くといつも鉢合わせになるという事を聞き、
由陽はいつもよりも早く、母親がごみを出しに行く少し前を見計らって出てきたのだ。
そんな性格だ。頼れるやつもいねえだろ? 俺が相手してやるよ」
再び入る事を諦めた由陽は、ドア越しにどうしても伝えたかった事を伝え、
そのままその場を立ち去る。遠ざかる足音を聞きながら、真幸は余計な御世話だと鼻で小さく笑った。
翌朝、気分も幾分か回復し、元通りに戻った真幸が学校へ行こうと外へ出ると、
今最も会いたくない人物がそこにいた。真幸はあえてその人物に気付かなかったふりをし、
その場をつききろうとしたが、すれ違ってすぐに引き止められてしまう。
「無視はないだろ」
「ちっ…………気付かなかっただけだ。大体何でお前がこんな場所に」
「その舌打ちはなんだよ。堂々と目の前にいて気付かない訳ないだろうが。
つか、家隣なんだけど? 忘れたのか? じゃなきゃ、昨日来ないって」
その人物、由陽は呆れたように不満を言う。
自分の母親がごみ出しに行くといつも鉢合わせになるという事を聞き、
由陽はいつもよりも早く、母親がごみを出しに行く少し前を見計らって出てきたのだ。


