バストコンプレックス

努の些細な変化も見逃さない様にじっと見ていた。



努は何も言わずにただ嬉しそうに私を見て、
そして、胸にキスをくれた。



胸の位置も確認しなかったし、動きも止まったりしなかった。



「―ッ!」



生まれて初めてされたその行為に涙が零れた。



その涙を親指で優しく拭ってくれる努。




そして努の大きな手が私の小さな胸を包むように触れる。
努の手には全然足りない私の小さな胸。



けれど、とても大切なものに触れるように優しく…
愛おしそうに…優しく包む努の大きな手




「努…ありがとう」



努は笑ってキスをくれた。


初めて体を重ねる行為を愛おしいと感じた。努の触れてくれた自分の体も愛おしく感じる。




あなたの前でなら、私は偽りない姿を見せる事ができそうだよ。
















情事の後、薄れゆく意識の中、努の声を聞いた気がした。



『俺の方こそ、信じてくれて…ありがとう…』





温かな腕に包まれ、眠りについた。












Fin