俺様彼氏とあたし様。

ポロポロ零れ落ちる涙を日向は指で拭ってくれた。



「ねぇ、すげぇいいとこ知ってんだけど、行かない?」

「どこ…」

「王子様に相応しい場所」

「お城の形のラブホの事言ってんの?」

「あれはラブホじゃなくて城だ。行くならお連れしますが?」

「行く…」



あたしがそう言うと日向は着てたスーツを脱いであたしにかけてくれた。



握られた手は走って来たから温かい…。



「寒くないの?」

「寒くねぇよ。酒も入ってるから熱いくらい」



絶対ウソだ…。



寒くないわけない…。



やっぱり日向は優しい。



何でもあたしの望みを叶えてくれる。



「着きました姫。どの部屋が1番理想で?」

「高い部屋」

「かしこまり~」



このお城型ホテルはラブホの中では結構高級な値段…。



部屋に入ってドアを閉めた。



まるで琉伊の別荘みたいな部屋だ…。