なんでだろ。俊は顔を手で覆って、あたしから視線を外したまま動かない。 仕方ないから、絶対使わないと思ってたアレで許してもらおう。 怒ってる時に絶対許してもらえるらしい裏技… 首を傾げて…耳元で囁く、ただそれだけ。 「しゅん?」 「…っ!!結衣やめろっ!!」 でも…失敗だったようだ。 あたし、羞恥に耐えてやったのに。 なのに、ますます怒ってしまったらしい。(実際は照れてるだけ) あたしはもう一手を試すことにした。