「なんです?!」
「なに?」
近くの部屋の扉から顔を出す翔と悠杜。
「二階だ、二階!」
「へっ?二階?」
理解していないらしい悠杜を放置し、二階へ急ぐ。
皆も続いて二階へ足を進めた。
「結衣っ?!」
扉を順に開けていく。
幹部室にはいない。残りがその場所しかなくなり、俺は少し冷や汗をかいた。
「(頼む、違ってくれ)」
念を込めて扉のノブを握る。
俺は意を決して、その部屋の扉を開けた。
バンッ…
「………………やっぱり。」
そこにいたのは紛れもなく結衣本人。そしてこの部屋は…
「なる前から使ってんじゃねぇよ。」
もちろん、総長室だ。

