「俊~!」
「馬鹿俊~!」
「馬鹿やろ、俺は馬鹿じゃねぇ!アホだっての!」
どこに違いがあるのだろうか。まぁ、それはともかくだ…
舞台に登っている俊に駆け寄る。俊は、驚いたように振り向いた。
「俊…あのさ…」
俊は、珍しく黙って話を聞いていた。
「帰ってもいい?」
「は?」
だってもう眠くて…帰って寝たいんだけど。
そう、小さく呟いた。
「駄目だ!おま…じゃなくて…皆の晴れ舞台だぞ?帰るなんて…」
「はいはい…分かった分かった。もう少しだけいるよ。」
何か妙に気合いの入った俊に引き気味になり、言い負けた。

